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黒人ゲイカルチャーによって生まれたシカゴハウスの歴史ロックを愛すディスコへの復讐

 2016/12/02 DJ講座 HOUSE クラブの歴史
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白人と黒人、性的マイノリティの闘争とディスコの歴史

frankie-knuckles

出典Good Black News

 

シカゴのディスコ「The Warehouse(ウェアハウス)」のオーナー

Robert Williams(ロバート・ウィリアムス)

 

そしてハウスの生みの親であり、ゴッドファーザーと呼ばれるFrankie Knucles(フランキー・ナックルズ)

 

この二人がいたからこそ、現在の「ハウス」という音楽ジャンルがあります。

 

 

シカゴのディスコで、「ハウス」が誕生するまでさまざまな歴史的背景があり、

その中には白人と黒人、性的マイノリティの闘争があり、その中でゲイによる独自のクラブカルチャーが生まれました。

そういったディスコの歴史があったからこそハウスという音楽が生まれたのです。

 

 

歴史をさかのぼると、

ニューヨーク、そしてディスコの歴史そのものが黒人とゲイから生まれたカルチャーと言っても過言ではありません。

 

 

ディスコ文化が広まるニューヨーク差別される黒人

 

1960年代、

急速にディスコ文化が広まるニューヨークで、ディスコの客というのはほとんどが白人でした。

 

しかし、ヒッピームーブメントの影響でLSDやマリファナなどのドラッグが蔓延し、

1967年、アメリカ全土でLSDの使用は禁止となる法律が制定され、

ドラッグの取り締まりが厳しくなり、多くのディスコは閉店に追い込まれました。

 

驚くことに、それまでのアメリカというのはLSDは合法だったのです。

 

そして黒人指導者であったキング牧師が殺害され、ストーンウォールの反乱(ゲイ解放運動)が起こり、

社会は自由を求めていくようになります。

 

 

ディスコ側も新しい客層を集客しないといけないと考え、

黒人や性的マイノリティを取り込むようになり、ここからディスコの客層が一気に多様化するようになります。



 

シカゴに移ったウェアハウスのオーナーRobert Williams(ロバートウィリアムス)

 

シカゴのディスコThe Warehouse(ウェアハウス)のオーナーとなる、

Robert Williams(ロバートウィリアムス)は

 

Larry Levan(ラリー・レヴァン)とFrankie Knucles(フランキー・ナックルズ)とともに、

David Mancuso(デヴィッド・マンキューソ)の会員制パーティーThe Loft(ザ・ロフト)に出入りしていた一人でした。

 

ニューヨークの激しい競争から逃れるようにシカゴに移り、「US Studio」というディスコをオープンさせます。

オープン当時の仲間との衝突などを経て、後にThe Warehouse(ウェアハウス)と呼ばれるディスコをオープンさせ、ここから「ハウス」が生まれることになります。

 

 

The Warehouse(ウェアハウス)オープンの1976年、

最初にニューヨークから移ってきた72年に比べると、シカゴはディスコだらけとなっていました。

 

 

しかし、その大半は白人がメインのディスコで、

黒人は、ディスコに入場する際に身分証明書のほかにもパスポートを求められるなど、排他的な態度を取られていました。

 

シカゴでは黒人向けのディスコが求められていた、という時代背景があったのです。

 

 

ウィリアムスはThe Warehouse(ウェアハウス)(正式名称はUS Studio)をオープンさせ、

新しいDJとしてThe Loft(ザ・ロフト)から交友があり、黒人ゲイのDJであるLarry Levan(ラリー・レヴァン)を呼ぼうとしますが、

 

ガラージミュージックの発祥、Paradise Garage(パラダイス・ガレージ)をオープンさせる準備をしていたため、叶わず、

ラリーの親友であることを知っていたウィリアムスはFrankie Knucles(フランキー・ナックルズ)に声をかけ、承諾を得ます。



 

 

1977年にオープンした、伝説的ディスコParadise Garage(パラダイス・ガレージ)は会員制のディスコとなっていて、

メインの客層は黒人やゲイ、そしてDJのラリー自身も黒人でゲイでした。

 

ガレージ(駐車場)だったところを最高のディスコ空間に作りあげ、

会員制プライベートパーティThe Loft(ザ・ロフト)でDavid Mancuso(デヴィッドマンキューソ)がそうだったように、

音質に最高のこだわりを持ち、最先端の一流サウンドシステムを導入します。

 

その音質は大音量にも関わらず、普通に会話ができるほど、音がクリアだったと言われています。

そして、ラリーがかける曲はガラージと呼ばれ、一つの音楽ジャンルを築き上げます。

 

 

Frankie Knucles(フランキー・ナックルズ)はニューヨークからシカゴのThe Warahouse(ウェアハウス)に移り、

フランキーがウェアハウスでかける曲が、「ウェアハウスでかかっている音楽」と言われるようになり、

シーンの中心地ニューヨークでは聞けない、フランキー特有のミックスを加えた音楽は「シカゴハウス」と呼ばれるようになります。

 

「The Warehouse(ウェアハウス)」のメイン客層も、黒人やゲイであり、

マイノリティから新しいカルチャーが生まれました。

 

ともに10代のころから会員制プライベートパーティ「The Loft(ザ・ロフト)」に通っていた二人です。



 

黒人が生み出したハウスはロックを愛すディスコへの復讐なんだよ

 

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出典OKmusic

 

時代は白人主導で、ビートルズのロックの時代

黒人やゲイに好まれるファンクやソウルミュージックが音楽シーンを席巻しているのをよく思わない人たちもいました。

この問題の根元にあるのは人種差別そして、同性愛者への嫌悪でした。

 

そして、シカゴでは反ディスコ運動「Disco sucks」が加速していきます。

 

そのような時代背景があったにもかかわらず、

フランキーは変わらずThe Warahouse(ウェアハウス)でDJを続けていき、ファンクやソウルといった黒人ミュージックだけを流すのではなく、

 

その音楽に、あらかじめリズムを入れたテープを一緒にミックスしたり、サビの前の部分を繰り返すなどのテクニックを加え、

 

このフランキーのスタイルがいつしか、「The Warehouseでかかっている音楽」と言われるようになります。

これが音楽ジャンル「ハウス」の原点であり、Frankie Knucles(フランキー・ナックルズ)が

「ハウスのゴッドファーザー」と呼ばれる所以です。

 

 

「黒人同性愛者によって生み出されたハウスは、ロックを愛すディスコへの復讐なんだよ」、とフランキーは言います。
2014年に逝去したフランキーですが、94年に音楽雑誌「リミックス」でのインタビューでこのように答えています。

 

「ここ2年くらい、たくさんのダンス・トラックが出たけど、心に残ったものはあんまりないんだ。

音楽を作るならやっぱり人の心になにか残さないと。それも一過性のものじゃなく、人びとにずっと覚えてもらえるもの。

ただのバカ騒ぎのBGMを作ったって仕方がないんだよ。力強い作品を作っていくことこそ、ダンス・ミュージックを生き残らせていくただひとつの道だからね。

それが僕の役割だと思っている。メッセージのある、いつまでも人の心の中に生きていく音楽」

出典http://www.ele-king.net





 

「ただのバカ騒ぎのBGMを作ったって仕方がないんだよ。力強い作品を作っていくことこそ、ダンス・ミュージックを生き残らせていくただひとつの道だからね。」

 

この言葉は今の音楽シーン、クラブシーンにも言えることで、胸に突き刺さってきますね。

 

ガラージミュージック発祥今も語り継がれるParadise Garage(パラダイス・ガラージ)

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